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2021.06.21
コラム
立ち上がる時や階段の一歩目などふとした瞬間「膝が痛い」と感じたことのある方は
いらっしゃいますか?
膝の痛みは様々な要因はあります。その一つとして、
前回のコラムでは鵞足炎(がそくえん)を紹介させていただきました。
今回は膝の痛みについて基本的な事から説明したいと思います。膝が痛くて病院に行くと、「変形性膝関節症ですね」とよく言われます。
では、その「変形性膝関節症」とは一体何でしょう?
今回のコラムでは「変形性膝関節症」の概要や分類についてご紹介致します。
概要
「変形性膝関節症」は加齢や肥満などにより、膝のクッションとして働いている関節の軟骨が徐々に
すり減って骨棘(こつきょく:とげ状の骨)ができたり、骨が変形して痛みや腫れ、運動制限、膝に水が溜まったりする疾患です。
初期には、立ち上がりや歩き始めなどの動作開始時に、痛みが起こります。
徐々に進行すると、階段の昇り降りや正座、安静にしている時にも痛みを感じ、
日常生活に支障をきたしてしまいます。
分類
変形性膝関節症は「一次性膝関節症」と「二次性膝関節症」の2つに分類されます。
一次性膝関節症は、加齢とともに膝の関節軟骨がすり減ることで発症し、肥満などが影響されます。
二次性膝関節症は、様々な原因があるが、特に外傷によるものが多くを占めます。(骨折、半月板損傷、靭帯損傷、捻挫など)
膝関節では、一次性が多くを占めます。
危険因子
変形性膝関節症では様々な要因が関係しています。
・加齢
・肥満
・女性(ホルモンの影響)
・筋肉の衰え
・下肢の変形(O脚など)
・膝への負担が大きい動作(重いものを持つなど)
この中で最大の危険因子となるのが、加齢です。
男女比は1:5で中年以降(40歳以上)女性に多くみられます。
加齢になるにつれて発症しやすくなります。
重症度
変形性膝関節症の重症度を判定するために活用されるのがレントゲン検査(X線)です。
下記の「K-L分類」が一般的な指標となります。
関節軟骨の減り具合や骨棘(とげ状の骨)の程度によって分類します。
【K-L分類】Kellgren-Lawrence分類
●グレード0
正常
●グレード1
大きな変化はみられない。
関節軟骨が徐々に傷つき始める。
小さな骨棘が(とげ状の骨)がみられる。
●グレード2
膝関節の隙間が狭くなっている。(25%以下)
骨棘が作られ始める。
●グレード3
膝関節の隙間が半分以上狭くなっている。(50%以上)
骨棘がさらに作られている。
●グレード4
膝関節の隙間がかなり狭くなっている。(75%以上)
大きな骨棘が作られ、骨の変形も顕著にみられる。
※左からグレード0 、グレード1、グレード2、グレード3、グレード4
出典:Kellgren JH, Lawrence JS:Radiological assessment ofosteo-arthrosis. Ann Rheum Dis, 1957;16:494〜502.
このようにX線写真で、とげ状の骨(骨棘)、関節のすきまが狭くなる(関節裂隙狭小化)、
軟骨の下にある骨が硬くなる(軟骨下骨硬化)などの所見がみられます。
今回は、変形性膝関節症の概要、分類についてご紹介させていただきました。
次回のコラムでは変形性膝関節症の症状や治療法についてお話し致します。
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